傾斜法とは
九星気学では人の運勢などを鑑定する際、本命星と月命星を導き出し読み解いていきます。本命星は、成人期の人生の表舞台や生まれ持った特徴の中でも軸となる要素を表し、月命星は、未成年期の素質などを表しています。
本命星と月命星のみでも運勢をみることはできるのですが、今回ご紹介する傾斜法という観点を併用すると、人生に大きく影響を与えるであろう内面性や潜在意識を読み解くことができます。
行動したいのにスムーズに進められない...素晴らしい未来を引き寄せようと思い描いているのになかなか思い描く未来がやってこない...など、理想と現実にギャップを感じている人は多いのではないでしょうか。もしあなたもそんな風に感じているのであれば、さっそくあなたの傾斜宮を導き出してみましょう。今まであなた自身も知らなかった潜在意識や本音にアプローチすることで、スタックしている原因が明らかになるはずです。「自分って本当はこうだったんだ」を知ることによって、あなたの個性や性格を十分に活かし、あなたらしい生き方の道標となるでしょう。
傾斜法でわかること
傾斜法を用いると、以下のようなことを読み解くことができます。
- 内面性
- 潜在意識
- 隠された能力
内面的な思考や潜在意識にアプローチすることによって、新たな気づきを得たり、多角的視点であなた自身を観察することができます。また、気の流れを把握し開運に繋げることもできます。
傾斜宮の調べ方
それでは傾斜を調べていきましょう。まず最初にあなたの本命星と月命星を確認します。本命星と月命星はこちらの記事で確認することができます。
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本命星と月命星の調べ方【九星気学】
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本命星と月命星が確認できたら、下の月盤の中からあなたの月命星が中心に来ている盤を見つけて、その盤の中で本命星がどの宮にあるのか探してください。ちなみに宮とは、月盤の中心あたりに書かれている「離、坤、兌、乾、坎、艮、震、巽」のことを指します。なお、傾斜の調べ方には、大きく分けて、本命星と月命星が異なる場合と、本命星と月命星が同じ場合の2パターンがあり、調べ方が異なっていますのでそれぞれご紹介していきます。
本命星と月命星が異なる場合
月命星が中心に配置されている月盤の中で、本命星がどの宮にいるかを確認します。例えば、本命星が一白水星で、月命星が四緑木星の星を持つ人であれば、四緑木星が中心に位置している盤の中で、本命星の一白水星がどこの宮にあるのかを確認します。下の例図では、坤宮(こんきゅう)に配置されていますので、この場合、坤宮傾斜(こんきゅうけいしゃ)となります。
本命星と月命星が同じ場合(特殊傾斜)
本命星が一白水星で、月命星も一白水星という風に、本命星と月命星が同じ星の人は、特殊傾斜といって星ごとに傾斜宮が決まっています。また、本命星と月命星ともに五黄土星の場合は、性別によってさらに分かれています。なお、特殊傾斜の傾斜宮は流派によって異なる場合があります。
本命星 | 月命星 | 傾斜 |
---|---|---|
一白水星 | 一白水星 | 離宮傾斜 |
二黒土星 | 二黒土星 | 乾宮傾斜 |
三碧木星 | 三碧木星 | 巽宮傾斜 |
四緑木星 | 四緑木星 | 震宮傾斜 |
五黄土星 | 五黄土星 | 兌宮傾斜 (男性) |
乾宮傾斜 (女性) |
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六白金星 | 六白金星 | 坤宮傾斜 |
七赤金星 | 七赤金星 | 艮宮傾斜 |
八白土星 | 八白土星 | 兌宮傾斜 |
九紫火星 | 九紫火星 | 坎宮傾斜 |
傾斜宮が表す内面性
坎宮傾斜(かんきゅうけいしゃ)
坎宮傾斜には一白水星の象意が内在します。澄んだ小川を流れる水のように、凛とした立ち振る舞いの中に穏やかさを持っています。順応性が高く、どのような環境でもうまく溶け込みます。自分の主張を押し通すことよりも、まずは相手の感情を理解しようと努めます。直感力があり、表面的には悩んでいるようでも心の中では早々に答えが出ています。そして直感から導き出した答えが本当に最適かどうかのジャッジに十分時間をかけていきます。気遣いの分だけ気疲れも多く、簡単に心を許すことはしません。繊細で警戒心が強いので、親密になるには時間かかります。気持ちを上手く発散することが苦手でストレスを溜め込みがちです。
坤宮傾斜(こんきゅうけいしゃ)
坤宮傾斜には二黒土星の象意が内在します。真面目で地道な努力を惜しみません、包容力があり相手を受け入れますが、自分を後回しにするところがあります。粘り強く、信念を持って着実に進んでいくことができます。そのため、人望が厚く、困ったときの助っ人として重宝されます。リスクをとって大きな賭けに出ることが苦手で、安定を好みます。身の丈に合った行動を心がけることで結果として成功を収めます。無意識に人に合わせようとするため、好意を持った相手に染まりやすいです。人間関係のストレスがたまりがちなので、特にエネルギーバンパイアやマウントを取る相手とは意図的に距離を保つことが大切です。
震宮傾斜(しんきゅうけいしゃ)
震宮傾斜には三碧木星の象意が内在します。何事にも積極的でエネルギッシュ、社交性があり人とうまく交流します。まず最初に行動ありきで物事を進めるので、興味をもったものはやってみないと気が済まないところがあります。反面、あれこれと気が散りやすくすぐに飽きてしまい、中途半端な器用貧乏になりやすいです。こうと決めたら突き進んでしまうため、人のアドバイスや忠告は聞き入れません。とにかく良いも悪いも自分で体験してみたいタイプです。やった後悔よりもやらなかった後悔をいつまでも引きずるので、結果を恐れず挑戦し続けると良いでしょう。
巽宮傾斜(そんきゅうけいしゃ)
巽宮傾斜には四緑木星の象意が内在します。スムーズな人間関係を築くことを第一に考えるため、気配りが上手く、人から好かれています。どのように立ち振る舞えば調和が取れるのかを、自然と体得しています。そのため自然と控えめだったり柔らかな物腰になり、優柔不断さを印象付けてしまうこともあるでしょう。いつも答えを自分の外に求めようとしてしまいがちですので、ときには勇気を持ち、自分で意思決定をしたり、はっきりと意見を伝えるように努めると良いでしょう。
乾宮傾斜(けんきゅうけいしゃ)
乾宮傾斜には六白金星の象意が内在します。物事を完遂させる力があり、最後まで責任感を持ってやり切ることができます。目的意識に基づく行動力、そして行動力を支えるモチベーションがあり、どんなときも努力を惜しみません。一方でチームワークを形成しながらコミュニケーションをとることは苦手で、いっそ一人で進めてしまったほうが効率的だと考えます。そのため、リーダーとなる場合もトップダウン型で進める傾向にあり、良くも悪くもピリッとした空気を纏います。相手の意見にも耳を傾けることが大切です。
兌宮傾斜(だきゅうけいしゃ)
兌宮傾斜には七赤金星の象意が内在します。あなたがいるだけでその場が明るくなったり、相手のモチベーションが上がったりと、ムードメイカー役になることがしばしばあります。華やかさと持ち前の愛嬌で、年齢問わず人脈を広げることができ、周囲から好かれるでしょう。反面、プライドが高く自分の意見を曲げない頑固な一面があります。楽観主義で、見積もりが甘く、スケジュール調整が苦手なところがあります。ポジティブなイメージでいることは大切ですが、その手前の段階でリスクや懸念点の洗い出しが入念にできると良いでしょう。
艮宮傾斜(ごんきゅうけいしゃ)
艮宮傾斜には八白土星の象意が内在します。こうと決めたらとことんやり抜く努力家で、大きな目標も達成する力を持っています。欲に溺れることなく謙虚に生きるタイプで、何事も自分で決め、自分で進めていこうとします。しかし、自己表現や自分をプロモートすることが苦手で、せっかくの能力やアイデアを開花させることに苦労します。表面的には淡泊で、冷たさを与えてしまう場合がありますが、実は人情に溢れ、人と深く付き合い、相手を裏切ったりすることはありません。社交性と協働が飛躍のためのキーポイントになるでしょう。
離宮傾斜(りきゅうけいしゃ)
離宮傾斜には九紫火星の象意が内在します。並外れた直感力で、ビビッときたものにはとことん没頭します。頭の回転が早く一を聞いて十を知ることができます。また、フィジカル面でも恵まれており、何でも卒なくこなせるため飽きっぽいところがあります。人付き合いは、精神的なつながりを重んじますが、心を開ける相手とそうでない相手を区別しつつ、上手に付き合います。また、美意識が強くプライドも高いため、異色の存在として目立つ場合があります。異なる意見や指摘もしっかり受け止め、自分の成長の糧にしてしまいましょう。